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管内磨耗試験…逆流防止弁にブロックされた状態に似せ、燃料パイプ内での磨耗をテストします

 給油口からタンク入り口までの燃料通路の長さを特定するため、保護カバーに紐を当てて測ります。画像右上枠外の給油口からタイヤハウス天井をほぼ水平に前にゆき、タイヤハウスに沿って急転直下、画面左下で水平に前進し微妙にくねってタンクに接続しています。延長は約130㎝と出ました。
 タイヤに詳しい方は「ミシュランに軽点マーク?」とお気づきになるでしょう。あれは目印のために私が付けたものです。アルミホイールでも自分で組むようになったからですが、その辺はまた追々…。
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 タンク側の端末をどう処理しようか悩むうち、玉付きのステンレスワイヤーを見つけました。1㎜径・1.5mを一本確保し、店の工作室のボール盤を借り15型に2㎜の穴を通そうとしたのですが、錫粒内部で変に粘ってもがくうちに刃先がポッキン(T T)…自腹を切って売り場から一本買って償いました。油を注しながらでもアルミや鉄のようにスパッと貫くのは無理です。チョン…チョン…と刃先が一かじりする度に刃を上げて切り粉を排出しても、すぐにバイスごと持ち上がるほど錫が刃に絡みます。鉄に対する天晴れな執着です。 イメージ

 ドリルの切れ端は摩擦熱で溶着した錫にしっかり保持されているようなので放置することにします。
 この後、桃太郎鋳の個体識別のためにポンチで印を付け、二個一組で重量を量ります。
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 穴の位置や角度がそれぞれ不揃いで心配でしたが、ワイヤーに通してみると何とかなりそうな雰囲気です。
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 次の問題は給油口への固定法です。
 給油の邪魔にならず、5千~1万㎞の走行途中で脱落することなく、安全に取り出せる固定方法…一月悩みましたが、ワイヤーの端を小さな輪にして、左右の小さな穴の一方に通すことにします。
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 ワイヤー端を輪にして穴を通してみて、輪の大きさを決め、ロックカンを通して電工ペンチで圧着します。
 この状態で改めて総重量を量っておきました。取り出した時にはワイヤーに燃料がしみ込んでいるはずなのですが、長い間燃料に浸っていた状態をすぐに作ることは困難なので、燃料の含侵実験は別口することにし、取り出した時には表面を拭い、桃太郎鋳の穴はプロワーで吹いて計測する、ということに割り切ります。
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 適当な針金が手元に無かったので余っていたタイラップで代用します。ステンレスワイヤー端の輪に一方を結び、U字型に曲げて穴の奥から通します。 イメージ

 タイラップの両端を押したり引いたりするうちに輪が小穴をくぐります。メッキ鋼板の向こう側はプレスで打ち抜いたままらしくタイラップのビニール被覆が削れて落ちました。やはり細い針金を使うのが正解なようです。 イメージ

 ワイヤーと桃太郎鋳を押し込みます。給油口から斜め下に少し行ったところでタイヤハウス上辺沿いの水平部になるため、桃太郎鋳はそこで停止しますがワイヤーはスイスイと押し込めます。 イメージ

 最後の数センチが少し重かったのが気になりますが、全部押し込んでセット完了です。水平部にとどまっている桃太郎鋳本体は、そのうちに下に落ちるはずです。 イメージ

 ステンレスワイヤーが吸い込む燃料の重さを特定するため、1φのステンレスワイヤーを130㎝切り売りで買い、重量を量ってから灯油に数日間漬け込み、油を拭き取って計量しました。
 漬け込み前:5.894g、漬け込み後:5.957g、推定含侵量:0.063g
 桃太郎鋳を通したワイヤーと、同じメーカーのワイヤーながら微妙に太さが違うような気がしますが、概算で0.06g前後の燃料を吸い込むと考えてよさそうです。
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2010/12/14  二千余㎞走ったところで、給油口から桃太郎鋳を引き出して一回目の計量をしました。 イメージ

 平面の縁が減っているはずなので、眼を凝らして見ますが、よく分かりません。まだ二千余㎞ですから。
 平面に見られる段差のような跡は、貫通孔を開けるときにバイスで挟んだために付いたものです。
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 計算上、初回の磨耗量は約0.053gと出ましたが、燃料の含侵量が推定値なので,この数字はあてになりません。しかし、タンクに届かず給油管にとどまった桃太郎鋳が結構なペースで錫粒子を放出していることは裏付けられました。
 団子四兄弟を給油管に戻し、試験を継続します。この先当分の間、約二千㎞ごとに取り出して計量してみようと思っています。
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2010/12/29  二回目の計量です。
 数値上、全然減っていないようにも思えますが、通算してみるとまあまあの数字になります。次の計量が楽しみ(?)です。
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管内磨耗試験(暫定)
日 付 2010/11/19 12/14 12/29 通 算
距離計(㎞) 145,503 147,625 149,535 -
総重量(g) 54.79 54.80 54.79 -
区間距離 (㎞) 2,122 1,910 4,032
推定磨耗量 ( g/含侵量差引) 0.053 0.01 0.063
推定磨耗率 ( g/1万㎞) 0.25 0.052 0.156

 
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